今回は、五十肩の方に対するストレッチをお伝えいたします。
五十肩の特徴は、結髪結帯動作ができないということです。病院に行ってもまず、検査をされるのがこの動きです。
五十肩とは
五十肩の場合、肩回りの筋肉や軟骨組織が炎症や異常を起こしてる状態で、動きにくくなっている状態です。特に肩関節周囲炎と言われる五十肩の場合は、ローテーターカフ(肩回旋筋腱板)という棘下筋、棘上筋、肩甲下筋、小円筋が硬くなっているので、肩甲骨や肩関節の可動域制限が出てしまいます。
結髪動作とは?結帯動作とは?
結髪動作とは、字のごとく髪の毛を結ぶ動作のことです。
結帯動作とは、帯を結ぶときの動作のことです。例えば、ベルトを通すときなどの動きも結髪動作です。
五十肩になるとなぜ結髪結帯動作ができなくなるの?
ローテーターカフ(棘下筋、棘上筋、肩甲下筋、小円筋)が硬くなっている五十肩では、肩甲骨が動きにくくなっています。肩の関節を動かすときには、肩甲上腕リズムというものが起こることによって、スムーズに腕が上がります。
この図のように、肩を挙げる際に、上腕骨と肩甲骨の動きが1:2の割合で動くリズムのことで、肩を挙げるには肩甲骨がある程度動かないと肩があがりません。
そのため、肩甲骨周りの筋肉が硬くなっている五十肩の場合、肩が挙がりにくい、胸を張りにくいということが起こってしまいます。そのため、結髪結帯動作ができなくなってしまいます。
結髪結帯動作をスムーズに行うには、ローテーターカフを柔らかくしておく必要があります。そのためには日々のストレッチでセルフケアをしておくのが良いでしょう!
タオルを使ったローテーターカフのセルフケアストレッチ
今回紹介するストレッチはタオルを使ったストレッチを紹介します。このストレッチは、結髪結帯動作ができない人向けというよりも、五十肩になりにくくなるためのストレッチです。そのため、結髪結帯動作が全くできない方はお控えください。
①結帯動作ストレッチ
1.タオルを図のように上に挙げている手で後ろに持ちます。
2.上から垂らしてあるタオルを反対の手で下からつかみます。
3.上に挙げている手でタオルを持ち上げます
4.このとき、下の手は全く力をいれません。(力を入れると痛みます)
5.これを繰り返します
②結髪動作ストレッチ
1.タオルを図のように上に挙げている手で後ろに持ちます。
2.上から垂らしてあるタオルを反対の手で下からつかみます。
3.下からつかんだ手でタオルを引っ張ります
4.このとき、上の手は全く力をいれません。(力を入れると痛みます)
5.これを繰り返します
☆注意点☆
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- 痛みがあるのに無理に結髪結帯動作をしないこと
- 1回1回確実に行なうこと
- ゆっくり行なうこと
- 痛みが出るほど無理に引っ張らないこと
これを行なうことで肩甲骨やローテーターカフが動きやすくなり五十肩の予防になります。
最後に
五十肩は、痛みがあるのに無理に動かすことやストレッチをすると良くなるという情報が流れていますが、これは間違いです。治療の上で、ストレッチや運動療法を行なうことはありますが、これは治療として行なっています。痛みがある場合は、まずは治療を行なうことが最優先です。痛みが強いまま、無理に動かしたりすると痛みが強くなったり、余計に可動域制限が出たりします。
今回紹介したセルフケアストレッチも五十肩にならないように日ごろから意識して行なうストレッチです。万が一、痛みが出ている場合は無理せずに治療を行ないましょう!