すっかり寒くなりましたね。今年の京都マラソンはリモートで行なわれるそうです。私はエントリーしていませんが、コロナ禍で家から出ないので正月休み運動がてら走ろうかと思います。
この時期になると「走っていると膝が痛い」「本番が近いのに膝が痛くてトレーニングができない」など、ランナーの膝の痛みを訴える方が増えてきます。
この膝の痛み、実際の原因は何なのでしょうか?
骨?神経?筋肉?いろんな原因が考えられますが、何が原因か説明いたします。
走ると痛い、それはランナー膝
ランナーの方なら聞いたことがあると思いますが、走るときに膝に痛みが出る。その症状をランナー膝(ランナーズニー)と言います。このランナー膝は『腸脛靭帯炎』といい、膝の外側に付着している腸脛靭帯が繰り返し走ったり踏ん張ったりすることで、負荷がかかり炎症を起こし痛みが出る症状のことを言います。繰り返しの運動が原因の一つですので、その痛みが出た状態からさらに走ろうと思っても、痛みが強くて走ることができません。
腸脛靭帯炎の原因は靭帯?
腸脛靭帯炎と聞くと「あー、原因は靭帯かー…半年以上走れないのか…」と思われる方もおられるかもしれません。もちろん痛みが出ているときは走れないのですが、腸脛靭帯は筋膜様組織といい、筋肉の延長線上にある靭帯なのです。実際、痛みや炎症が起きている部分は靭帯で間違いないのですが、実は筋肉を使いすぎた結果、靭帯に負荷をかけてしまうことで炎症が起きているので、筋肉の治療をすれば、靭帯の負荷がなくなり、早期に競技復帰ができるのです。
その筋肉は大腿筋膜張筋という筋肉です。さらにお尻の筋肉の大殿筋、中殿筋も関与しています
大腿筋膜張筋は走る際の太ももを上げる動きや外にブレたときに踏ん張る際に使う筋肉です。
大殿筋、中殿筋は踏ん張るときはもちろん、骨盤のブレなどを抑制する作用もあり、走っているときには負担がかかってしまいます。
一枚目の図でいうと膝近くの白い部分が腸脛靭帯という部分で骨盤近くの前に付いている茶色の部分が大腿筋膜張筋です。この大腿筋膜張筋を使いすぎることによって硬くなり、腸脛靭帯を牽引することで、靭帯部分が炎症を起こし、痛みが出ます。早期に競技復帰をしたい方はこの筋肉を早期治療する必要があります。
腸脛靭帯炎のケア方法
もし、この記事を読んでいる今、痛みがある方は、まず局所を冷やしてください。靭帯部分は炎症を起こしている可能性がありますので、その炎症を抑える必要があります。このとき、シップを利用する方もおられるかもしれませんが、一番は氷水が良いです。氷水を局所に10分から20分、感覚がなくなってくるまで冷やしてください!そのあとは、やはり走らず、負荷をかけないということが必要です。ストレッチなども効果的ですが、痛みが出ている場合は無理にすることは控えてください。早期競技復帰を目指している方はその状態で治療に行くことをオススメします。実際、炎症の痛みは、安静にしていれば痛みは治まってきますが、根本の筋肉が硬い状態のままですとまた走った際にすぐに痛みや炎症をぶり返してしまいます。
腸脛靭帯炎は早期治療が早期競技復帰への近道です!