毎年12月に母校の平安高校OB戦が行われます。毎年、案内が来るので参加しています。もう引退してだいぶ月日が経ちますが、毎年、現役の学生からヒットを打っているので継続したいですね!

※2021年OB戦でヒットは打てませんでした。2022年は打ちます。

そんな私も野球肩という方の痛みに悩まされた1人です。そんな方を治療をして競技復帰に導いた経験。治療事例を紹介いたします。

症状

当時診ていた際は中学3年生でした。中学最後の大会があと1か月という所で、投げるときに肩が痛くて野球ができないという悩みでした。ずっと痛くかったみたいですが、練習を休むことができず、投げ続けていると大会1か月前に激痛投げられなくなったという経緯でした。
病院に行ったが、レントゲンを撮って「安静にしといてください。投球は禁止」と言われたそうです。最後の大会1か月前の学生には残酷な診断結果ですよね…
私なら耐えられません。というか無理して投げていました。

リリース時に痛みが激しく腕を振るのも怖いという症状でしたので動診を行ない、触診を行なった結果、ギリギリ大会には間に合うと思い、筋肉の治療を行ないました。

原因の筋肉

原因の筋肉はインナーマッスル肩甲下筋という筋肉です。肩甲下筋という筋肉は野球をしている人、していた人がほぼ100%硬くなっている筋肉で野球肩の原因になる筋肉の1つです。この筋肉はフォロースルーの際に腕を振り切る際に使う筋肉で、野球肩のフォロースルー期に痛みが出る方の原因となる筋肉です。この筋肉は手で触ることが少し難しい筋肉で自分でケアがしにくい筋肉です。肩甲骨の表側にある筋肉なので痛めやすいけど、治療でもよく見落とされることが多い筋肉になります。


図:著者 ジョセフ・E・マスコリーノ 監修 丸山仁司 改訂新版 筋骨格系触診マニュアル第2版 引用

その筋肉と拮抗した働きのある棘下筋もポイントでした。この筋肉を触ればその人がどんなスポーツをしていたかが一目でわかります。


図:著者 ジョセフ・E・マスコリーノ 監修 丸山仁司 改訂新版 筋骨格系触診マニュアル第2版 引用

治療のペース

学生さんの場合、回復が早い反面、知らず知らずのうちに使ってしまっていることがよくあり、特に部活をされている場合は、「周りに負けたくない」であったり、「最後の大会まで休みたくない」という気持ちがあり、無理をしてしまうことがあります。なので、最初の方はなるべく詰めて来ていただきました。1週間ほど詰めて治療を行なうと少しずつ痛みが軽減してきたので、少しずつ強くボールを投げていくように伝えました。その際、筋力の低下も考えられるため「セラバンド」というプロ野球選手も使っているゴムチューブトレーニングを伝え、それを練習前と練習後に行なうように指導しました。

 

セラバンドはいろいろな色の種類がありますが、インナーマッスルを鍛えるのは赤色か黄色が良いです。私自身も現役時代、黄色を使っていましたが、安価でトレーニングの方法も小冊子も入っていて、またセラバンドはネットで調べるとトレーニング方法も記載されています。このセラバンドは、今シーズン限りで引退された阪神タイガース藤川球児選手が使っているのを見たことがあります。

このバンドトレーニングをした結果、遠投は100m投げれるようにもなったし、試合前にやることによって、試合中の痛みは軽減していました。

全力で投げるタイミング

学生さんの場合、全力で投げて良いタイミングは、学生さん自身がイケると思ったタイミングです。これは人任せのように感じる方もおられるかもしれませんが、そうではありません。イケると思ったということは身体がよくなり、無意識に行動しているということです。怖いと思っているうちはまだ、身体がOKサインを出していないので、筋肉は硬いまま、痛みもまだある状態と言えます。特にアスリートの場合はこの感覚を持ち合わせています。実際、私自身もそうでした。ただ、イケると無理して行なうは違うのでそのタイミングは、施術者の腕の見せ所でもあると思います。

野球肩にならないためには

野球肩にならないためには、しっかりとインナーマッスルを鍛え、投げすぎず、しっかりとケアをおこなうことです。今は、投球数の制限がされていますが、どうしても自主練で投げすぎたりしてしまうのが学生です。やはり、メンテナンスやケアをすることは大変重要なことです。プロの選手は必ずしています。怪我で最後の大会に出られないのが一番悔しいと思います。そうならないためにもトレーニング、ケアはしっかりしていきましょう!

野球肩のセルフケアマッサージ方法はこちら

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