腰痛の原因でよく聞くヘルニア。
私も高校の時にヘルニアという診断を受けたことがあります。そこからというものそのヘルニアという病名にビビりながら野球を続けていましたが、最近はゴルフをしても腰痛が出ない状態になりました。
実は最近の研究ではヘルニア=腰痛は可能性が低いと言われており、ヘルニアで手術をするということがほぼなくなっていることをご存じでしょうか?
ヘルニアとは?
ヘルニアというのはどのような状態かご存じでしょうか?
人の背骨と背骨の間にはクッションである椎間板という繊維軟骨があります。その椎間板が運動や急な負荷をかけることでそのクッションが飛び出したり、変形することで、近くに走る神経を圧迫することによって、痛みやしびれが出ていると言われております。
左が正常、右がヘルニアの状態です。
その状態はMRIで確認できるのですが、確認した後、ほとんどが「シップと痛み止めで様子を見ましょう!」と言われるのが現状です。もし、ヘルニアが原因で痛みやしびれが出ているとしたら「すぐに手術をしてその圧迫部分を取り除きましょう!」と言うと思いませんか?
また、仮に手術をしても痛みやしびれが取れない患者さんが多くいるというのも隠された現実です。
本当にヘルニアが痛みやしびれの原因になっているのでしょうか?
痛みやしびれの原因はヘルニアではない
実は、アメリカの研究で痛みやしびれの原因はヘルニアではないと証明されているのをご存じでしょうか?
その研究では、腰痛のない人を対象に画像検査を行なったところ、76%の人にヘルニア、80%を超える人に椎間板の異常が認められたという研究です。
腰痛やしびれがない人は、普通、画像検査なんて行わないですよね?だから今まで見つかっていなかっただけで、腰痛やしびれがない人でもヘルニアという状態があるということがわかってしまったのです。実際、私も高校の時にヘルニアと診断されて以来、ヘルニアに対する治療は行なっていませんが腰痛はなくなりました。おそらく、ヘルニアが勝手に引っ込むということはないので、画像検査をしたら出ているのでしょう!
痛みやしびれの本当の原因
ヘルニアによる痛みやしびれの本当の原因は、トリガーポイントという筋肉のしこりということがアメリカ人医師のサイモン氏とトラベル氏によって証明されています。
トリガーポイントの特徴として、痛みやしびれが出ている場所から少し離れた場所に原因があることがあります。例えば、足にしびれがある場合は、お尻や太もも、腰に原因があることもあります。手のしびれの場合、原因は首、肩にある場合もあります。
小殿筋
図:著者 ジョセフ・E・マスコリーノ 監修 丸山仁司 改訂新版 筋骨格系触診マニュアル第2版 引用
斜角筋
図:著者 ジョセフ・E・マスコリーノ 監修 丸山仁司 改訂新版 筋骨格系触診マニュアル第2版 引用
このように原因がある場所と症状が出ている場所が違うことを「関連痛」と言います。ヘルニアによって痛み。しびれが出ていると言われているものはほとんどがこの関連痛ということがわかっています。
痛み、しびれの原因がヘルニアと診断された方へ
今回、お伝えさせていただきましたが、痛みやしびれの原因をヘルニアと診断された方、実際ヘルニアが原因ではないかもしれません。もし、筋肉やトリガーポイントが原因の場合、手術をしても治らないということがあるかもしれません。手術をする前に一度、それ以外の治療も考えてみてください。もしかしたら、手術をしなくても治る症状かもしれません。手術をして治らないという方をたくさん見てきたからこそお伝えいたします。