スポーツや仕事をしているときに「ブチッ」…
肉離れをしてしまったときどうしたらいいかを紹介します
肉離れには3段階あります
軽度(Ⅰ度):筋や腱の組織が繰り返し筋収縮を起こしたり、長時間の収縮を起こした際に、筋肉の繊維を微小断裂を起こした状態。局所の圧痛のみのことが多い。
中度(Ⅱ度):筋肉や筋膜、腱のごく一部の繊維の断裂。不全断裂。部分断裂と言われることもある。圧痛と軽い陥凹、軽い運動時痛がある
重症(Ⅲ度):筋肉の完全断裂。
とこのように分けられます。Ⅰ度の場合、筋肉痛のような感じです。筋肉痛も肉離れⅠ度のさらに軽いバージョンという感じで、束で切れているか、細かな繊維で切れているかの違いです。筋肉痛も甘く見ていると大きな怪我につながりますので注意してください!
RICE処置から、PRICE処置そしてPOLICE処置へ
肉離れをしたらとりあえずRICE処置!もしかしたら聞いたことがある方はおられると思います。RICE処置とは、安静(Rest),冷却(Ice),圧迫(Compression),挙上(Elevation)のそれぞれの頭文字を取って、RICE(ライス)処置と言われます。この4つが応急処置だということは、私も学校で習いましたし、国家試験でも出てきました。
しかし、この安静(Rest)だけでは、肉離れを下部分の保護をできないことから、RICEに保護(Protection)を加え、PRICE処置というものになりました。
さらに医学は進み続けているので、最近では急性の損傷で必要以上の固定や安静は悪影響を及ぼすということがわかってきており、安静(Rest)を最適な負荷(Optimal Loading)に置き換えたPOLICE処置というものが広まりつつあります。
POLICE処置
Protection(保護):装具やギプス、テーピングなどで保護し、再受傷、悪化を防ぐ
Optimal Loading(最適な負荷):早期に最適な負荷をかけ最適な組織回復を促す。しかし、専門家の指示のもと行なうことを勧めます。
Ice(冷却):疼痛緩和、腫脹の緩和
Compression(圧迫):患部の内出血、腫脹を防ぐ
Elevation(挙上):患部の浮腫の軽減
肉離れでやってはいけないこと
急な負荷や大きい負荷がかかることで、いきなり「ブチッ」となったり、痛くなったりするので、私自身も経験がありますが、どのような人でも焦ってしまいます。先ほど、最適な負荷(Optimal Loading)をお伝えしましたが、肉離れ直後は、ストレッチやマッサージなどの行為は厳禁です。肉離れは切り傷と同じようなものなので、直後に刺激や動かすといったことをしてしまうと、余計にその傷口が広がってしまい、悪化したり、治りが遅くなってしまいます。また、その行為によって内出血が広がったり、腫脹が激しくなってしまった場合は、処置もできる範囲が限られることもあり治療にも弊害が出やすいです。痛みを感じたときや「ブチッ」なった場合はすぐに専門家にご相談ください。
肉離れひとつを取っても処置の方法を間違ったり、知識がなければ、治るスピードもかわってきてしまいます。この情報を見ていただいた方は、頭の片隅にでもこのPOLICE処置を入れておいてください。いざとなったときのお役にたてると幸いです。