「ある日突然、肩が挙がらなくなった」

病院では五十肩と診断されます。五十肩の場合、重症の場合病院では1年以上かかるという診断もされます。そんな症状を抱えて来院された方の治療事例を紹介いたします。

症状の原因

この患者様は、主婦で特に仕事もしておらず、家事、洗濯、掃除の毎日の方です。五十肩の症状には鑑別しないといけない症状があります。石灰沈着腱板炎です。この石灰沈着腱板炎の場合は、じっとしていてもうずいたり、夜間に痛みが増したりします。あとは少しでも動かすと激痛がある、局所的な圧痛があるなどという特徴的な症状があります。もし、石灰沈着腱板炎の場合は整形外科の受診が必要になるのでこことの鑑別が必要です。

この方の場合、夜間やじっとすると全く痛みはなく、動かしてある程度まで挙げると痛いという症状でした。このことから筋肉の治療を行ないました。

原因の筋肉

今回の原因筋は棘下筋小円筋肩甲下筋です。この筋肉は回旋筋腱板(ローテータカフ)を形成している筋肉で、肩関節、肩を挙げる動きに大きく関わっている筋肉です。

肩甲骨の周りについているこの筋肉たちは、肩甲骨を動かす際に関わっている筋肉です。五十肩の症状をお持ちの方は、ほぼ全員、肩甲骨の可動域が低下しています。肩甲骨が動かないと肩の関節は正常に動かないのです。

施術内容、ペース

五十肩の場合、まず、筋肉を緩めていきますので、最初のペースはなるべく詰めて来ていただいていました。週に3回から4回のペースぐらいです。肩甲骨周りを中心とした手技施術と肩甲骨のモビリゼーションを行ないます。肩甲骨をはがすような体操を行なうことで、肩甲骨周りの筋肉が緩んでくれる施術です。最初は肩甲骨の下に指が入らなかったのが2回目で指が入るようになりました。そのあとは鍼治療を行ないます。鍼治療では東洋医学的に手のツボを使い、体操を行ない、さらに西洋医学的に先ほどの筋肉たち(棘下筋、小円筋、肩甲下筋)に直接、鍼をしていきます。五十肩の場合、重症度にもよるのですが、鍼独特の痛みが出やすいので過敏性が落ちるまでは軽めの刺激で行なっていきます。軽くして効果が落ちるということはありませんのでご安心ください。この方の場合、痛み自体は最初の1週間でほぼ、なくなりました。その後は週に1回のペースで筋肉を動かすことをメインに施術を行なっています。完全に挙がり切るまでは、時間を要しますが今は、左右ほぼ差がないぐらいにはなっています。

急に肩が挙がらなくなった症状をお持ちの方へ

急に肩が挙がらなくなった症状、五十肩のような症状の場合、軽症の場合は比較的早く症状は改善に向かいますが、重症であればあるほど、改善が遅くなります。「このくらいちょっと動かしたら治るか」と思って、放っておくと大変なことになりかねません。患者様の声で、「軽症で行ってもいいのか迷う」と聞いたことがありますが、軽症であっても重症であっても症状が出ていればそれは身体の異常です。早めの専門家への相談をオススメ致します。

 

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