先日、患者様からこんな質問を受けました。
「急に肩が痛くなって、呼吸がしづらくなる時あるんですよね。肺とかが悪いのかな?」
急に、呼吸がしづらくなる。なんか心配ですよね。肺になにか起きているんではないか?心臓に何かおきてるのかな?そんな心配が出てくると思います。
実は、呼吸をするのにも筋肉を使っているのです。「呼吸筋」と言われる筋肉群があり、その筋肉を使って肩甲骨や肋骨を動かすことによって、呼吸が成り立っているのです。それらの筋肉に少し異常が出ると、息がしづらいという症状が出てしまうのです。ただし、肺、胸付近に痛みがあるなどの症状がある場合は、一度、病院を受診した方が良いかもしれません。
肩こり改善呼吸法の動画はこちら
呼吸筋
呼吸筋とは、呼吸をするときに使う筋肉のことです。横隔膜、内肋間筋、外肋間筋、胸鎖乳突筋、斜角筋、腹直筋、内外腹斜筋、腹横筋などの筋肉があります。吸気と呼気で使う筋肉が違い、吸気では横隔膜、外肋間筋を使い行なうが、呼気ほとんど筋肉を使いません。呼吸補助筋として吸気は胸鎖乳突筋、斜角筋を使い、呼気では内肋間筋、内外腹斜筋、腹直筋、腹横筋が補助的に用いられる。
どんな人に症状が出るのか
この呼吸筋は、特に肩こりをお持ちの方や、デスクワークが多い方、重いものを持つ仕事をされている方が良く使う筋肉です。特に胸鎖乳突筋、斜角筋は歯を食いしばるときや下を向く動作などに使うので上記の仕事や症状がある方はキーポイントになる筋肉です。
胸鎖乳突筋
この筋肉は鎖骨から首の根元に付いている首の前側にある筋肉です。この筋肉は肩、首の中ではかなり重要な役割をしている筋肉と言われており、この筋肉が衰えたり、硬くなると首の可動域が落ちたり、肩こり、首こりの原因にもなります。また、歯を食いしばるときなどにも作用するので、顎関節症の治療にも使うこともあります。女性が気になる顔のむくみやたるみもこの筋肉の衰えから来るとも言われております。
この筋肉は、目の周りやアゴ、さらに喉元に症状を出すと言われていますので、目の周りを中心とした頭痛や息切れ、耳鳴りの原因になることもあります。耳鳴りの治療では必ず、施術する筋肉です。
図:著者 ジョセフ・E・マスコリーノ 監修 丸山仁司 改訂新版 筋骨格系触診マニュアル第2版 引用
斜角筋
この筋肉は、前部・中部・後部に分かれている筋肉で、肋骨から首の根元に付いている筋肉です。この筋肉は首を支えているので、スマホ、パソコンなどを使う際に負担がかかります。さらに特徴的なところは、鼻をすする際(吸気)に使う筋肉で、鼻炎をお持ちの方、花粉症の方は硬くなりやすく、症状も出やすいです。また、手のしびれ、腕のしびれの症状も発症することもある筋肉ですので注意が必要です。
図:著者 ジョセフ・E・マスコリーノ 監修 丸山仁司 改訂新版 筋骨格系触診マニュアル第2版 引用
胸鎖乳突筋、斜角筋のストレッチ
こちらのサイトに胸鎖乳突筋と斜角筋のストレッチの動画があります。呼吸時に使う筋肉ですので、ストレッチ中も息を止めないことを意識しておこなってください!
いきなり、息がしにくくなることは、不安にはなりますが、そこで冷静になり、このようなストレッチで対処することも必要です。ストレッチは治すためのものではなく、予防するものです。習慣にして行なうことで、肩こり、首こりも楽になるので一度おこなってみてください!
※筋肉が原因になることがほとんどですが、気胸や狭心症、心臓疾患でも息切れなどはしますので、動悸や激しい痛みがある場合は一度専門家にご相談ください。