過去に圧迫骨折をして、数年後に腰痛が出てきたり、圧迫骨折が完治したのにどんより腰痛が残ってしまっているという症状をよく耳にしますし、当院にもそのような患者様は来院されます。

しかし、圧迫骨折を最近したとかならまだしも、数年前に完治したものが数年後に出たり完治したといわれたものによって痛みがずっと続いたりするものでしょうか?

圧迫骨折とは

圧迫骨折とは、背骨の前方の椎体という部分が壊れて変形してしまうことを「脊椎圧迫骨折」といいます。圧迫骨折は、高齢者に多くしりもちをついた際などに起こる外傷性はっきりとした原因がなく起こるものがあります。若年層にも圧迫骨折は起こることはありますが、若年層の場合は外傷性のものがほとんどです。高齢者の圧迫骨折が多発的に起こると背中が丸くなったり、身長が低くなったりすることもあります。また、進行すると脊髄や馬尾神経を圧迫するので放っておくと危険な骨折です。

圧迫骨折の原因

圧迫骨折の原因は、高齢者の場合、骨粗しょう症によって骨が弱っていくことが原因で、日常の些細な衝撃によっても起こることがあります。転倒やしりもちのような強い衝撃はもちろん、中腰の姿勢になったり重いものを持ったなどの小さい衝撃でも起こってしまうこともあります。なので腰痛で病院に行ったら圧迫骨折が見つかったというケースや鍼灸院、接骨院で治療していたけどなかなか治らずに検査すると圧迫骨折だったというケースもあります。

圧迫骨折による腰痛

圧迫骨折による骨折の場合、痛みが生じます。背骨が折れているという状態ですので、背中や腰に痛みが出るのですが、特に中心部に激痛が伴います。ぎっくり腰の症状とよく似ているので鑑別は必要ですが、簡単に調べることができるのが、「背骨を触ったら激痛があるか」ということです。骨が折れている場合、限局的な痛みが伴いますので、少し触るだけでも痛くなります。中心部が痛くなるという特徴もありますが、ぎっくり腰の場合、左右どちらかが痛かったり背骨の際が痛いという症状になるので、全然違う症状になります。そもそも圧迫骨折は骨が原因、ぎっくり腰は筋肉が原因なので、全くの別物になります。

圧迫骨折は数年も続くのか?

圧迫骨折は数年も痛みがつづくのか?結論から言うとありえません!!
圧迫骨折は骨折です。治療方法は安静にするということしかありませんが、早くて1~2か月、遅くても3か月で完治し痛みがなくなると言われています。骨は3~4週間ほどで形成されますので、半年後にまだ腰痛が残っているという場合は、別のものが原因になっていることが多くあります。

半年後以降の圧迫骨折の腰痛の原因

半年以上、圧迫骨折の状態が続くことはあり得ません。では、なぜ半年後に痛みが残っている人がいるのでしょうか?それは、圧迫骨折の場合、安静にするためにコルセットを処方され、ずっと固定した状態になります。さらに、病院によっては、「日常生活で負担をかけてはいけないので何もしてはいけない」ということを言われるそうです。もちろん、その方が骨折自体の治癒は早くなりますが、それ以外の身体の組織には異常をきたしてしまいます。

その原因は筋肉です!!

このような「コルセットで固定をし動かない」状態を続けると身体の筋肉が硬直してしまい、痛みが出てしまうのです。人間の筋肉は血流が悪くなり、硬くなることで痛みというものを生じてしまいます。しかし、圧迫骨折をしているという意識が残ったままなので、そこが原因と考えてしまいますよね。それは自然なことですし、おかしくはないですが、間違っています。さらに病院にいくと、「圧迫骨折は完治しています」と言われることが多いようです。原因不明の腰痛が続いて、圧迫骨折をしたという記憶があるとそう思ってしまっても仕方がないですが、何回も言いますが骨折が半年以上、続くというのはありえません。そのような痛みが半年以上、続く場合は筋肉が原因になっています。

圧迫骨折の既往歴の方の腰痛は鍼灸治療が良い

では、半年以上続く、圧迫骨折後の痛みはどのようにして治していけばいいのかというと、鍼灸治療が一番良いです。なぜかというと、骨粗しょう症が原因で圧迫骨折をしているが場合、むやみやたらなマッサージ治療や骨格矯正などの治療は、骨に圧を加えてしまいます。その結果、痛みが強くなったり、最悪の場合、再発をしてしまうということもあります。

その分、鍼灸治療は骨に負担をかけずに直接、筋肉に刺激が出来て治療ができます。特に筋肉は、奥深くにあったり、腰の筋肉は分厚いので、骨に負担のかけないマッサージの場合、届かないことがあります。鍼灸治療はそのような心配はなく、しっかり奥まで刺激を入れることができ早期の痛みの改善につながります。

 

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