椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、腰椎分離症・すべり症など、これらの症状は手術の適応症状です。
当院でもよく、これらの診断を受け、腰の痛みやしびれで来院される方がおられます。病院で診断されている場合、「手術をしないといけない」「最悪の場合、手術が必要」と診断をされている方が大半です。
椎間板、脊柱の異常の手術の再発率
手術をしたら治る。
そう考えている方が多くおられると思いますが、実際の所そうではありません。みなさん、手術後の改善率が何%か知っていますか?
ヘルニアの手術の改善率は一般的に60%と言われています。60%ですよ!?5年再発率は15%と言われています。術後の変化としてはすぐに変化をする人が65%ほどの方が変化するということデータもあります。正直どんな治療にも100%はないですが、60%そこそこの成功率はリスクがあると思います。
最近ではレーザー治療というものも増えているそうですが、そちらの成功率も80%というものだそうです。しかし、これは成功率ですので、痛みやしびれが完全に取れる確率ではありません。
ヘルニアと同じような症状の鍼治療の治癒率
実際、当院に来院された方や過去に診た患者様のなかにも、手術が必要と診断された方はたくさんおられました。そのほとんどが、背中やお尻の筋肉が原因になっている方が多かったのです。
その方たちは、すべての方が改善したというわけではありませんが、85%近くの方が鍼治療で改善しています。これは私自身の経験での数字ですが、事実として手術をしなくても改善する方がおられます。
手術の成功率が60%程度で再発率も15%もあります。しかも手術の場合、再手術というのは難しく、再発した場合のほとんどはそこから保存治療をされることになります。しかし、1回手術をしたところは、癒着などをしてしまい、組織自体も変化しているので、保存療法でも変化や改善を見込めるのは可能性としては低くなってしまいます。
ヘルニア=手術、椎間板異常=手術という時代は、もう終わりつつあります。というかアメリカはもう終わっています。
例えば、ヘルニアと診断された方、脊柱管狭窄症と診断された方に聞きますが、その異常が出ている骨の部分は痛いですか?
これは90%以上の方が痛くないと答えます。もしその椎間板の異常で痛みが出ているとすれば、その神経を圧迫している部分が原因であれば、その部分に痛みやしびれが出るはずですよね?しかし、その部分以外に痛みやしびれが出ることの方が圧倒的に多いのです。
ヘルニアなどの椎間板異常の原因は、その骨の周りにある筋肉やお尻の筋肉が異常をおこして、痛みやしびれが出るということが現在の医学ではわかってきています。筋肉が原因なのに手術をしても痛みやしびれは取れないです。
手術がダメということではありません
もちろん、手術が絶対ダメというわけではありません。手術が必要なときもありますし、保存療法がよくないこともあります。例えば、麻痺が出ているとき。しびれではなく麻痺です。麻痺は運動麻痺、感覚麻痺という状態で、動かそうと思って自分は動かしているけど、動かないであったり、触っているけど触っている感覚が全くないといったりする状態です。痛みがあることで動かせない場合などは、手術が必要ない場合もあります。
手術は魔法でも必ず治るものでもない
今回、一番伝えたいことは「手術は万能の治療ではない」ということです。特に高齢の方にはこのような考えの方が多く、どんな症状でも手術を強く勧める方がいます。
ちょっと待ってください!!
手術をしなくてもいい症状はたくさんあります。逆に手術をすることで、今後の生活に支障が出ることもあります。天気予報で60%の雨の降る確率、雨が降らないこと多くないですか?
手術で成功率60%、成功しないこともリスクとしてあります。
そのくらいリスクはありますし、そのリスクを背負わなくてもいい治療は今の世の中にはたくさんあります。その1つが鍼灸治療であります。
何度も言いますが手術がいけないということではありません。手術の方が良いと感じる方もおられます。
しかし、もし、手術を避けたい。できれば手術をしなくてもいい方法を探している方がおられたら、少しでも力になれる記事になればと思います。