シップは万能薬ではない
痛みが出たらシップを貼るという方はたくさんおられると思います。しかし、シップは万能薬ではなく、なんでもかんでもシップで治ると思っている方もまだまだおられますがそうではありません。
シップは「消炎鎮痛剤」と言って、炎症を抑える効果のあるものです。例えば打撲をした際に貼って、熱を持っているところを冷やす目的で使ったり、捻挫をして腫れがあるときに貼って応急処置をするものです。肩こり、腰痛に効くとかいてあるものもありますが、正直治るというよりも痛みを感じなくさせているだけだと思います。では、なぜシップを貼ると肩こり、腰痛が楽になるという方がおられるのでしょうか?
痛いの痛いのとんでゆけ~と同じ反応
子供のころに一度はされたことのある「痛いの痛いのとんでゆけ~」ですが、実際これは痛みがなくなっている、症状が治っているかというと、当たり前ですが100%治っていません。これは痛みという感覚を触覚や目の方向を変えてあげることによって、痛みを一時的に忘れさせているだけですよね。実はシップにもこのような反応が起こっています。そう!あの「スースー感」です!
人の身体は痛みの信号を脳に送って痛みと認識しているのですが、その痛みの信号よりも脳に早く届かせるのが、触覚という触る感覚です。例えば、おなかが痛いときですが、おなかをさすると少しマシになります。あの反応です。
シップは、冷シップならメンソールという薬品、温シップならトウガラシの成分のカプサイシンというものが塗られています。シップを貼るとそれらの薬品が反応して「スースー感」が起こります。温シップの「スースー感」は「ヒリヒリ」しているに近いと思います。
その感覚は触覚にアプローチしている状態なので、その感覚の信号が脳に早くいくことで痛みを緩和させているのです。この反応を「ゲートコントロール反応」と言います。シップは消炎鎮痛剤なので炎症が起こっているときには効果は発揮すると思いますが、それ以外の痛みの根本が治るということはありません。
シップを使用する際の注意点
とはいえ、シップは簡単に手に入るので使用することが多いと思います。その際の注意点をいくつかお伝えします。
①用法用量を守る
湿布薬には1日何枚、何時間など注意書きが必ずされていると思います。その用法用量を間違った使い方をしてしまうと、かぶれたり、蕁麻疹がでたりしますので注意してください。
②買う際には薬剤師さんに聞いたほうが良い
第2種医薬品のものや第3種医薬品のものがシップにはあります。この違いに詳しいのは薬剤師さんです。自分で買うよりも専門家に聞くほうが効果のあるものを提供してもらえます。また、この世の中、少しでも成分が入っているとシップと名乗れます。例えば、温泉もそうです。温泉の成分が何%か入っていて、あとは普通のお湯を入れても、温泉と名乗れたりします。こんな失敗をしないためには専門家に聞くのが一番です!
③なんでもシップでは治らない
何度もお伝えしますがシップは万能薬ではありません。あくまでも応急処置ということを覚えておいてください。やはり、身体に異常が出た場合は、専門家に相談することをオススメします!